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脊髄損傷の新治療に光 間葉系幹細胞

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脊髄損傷の新治療に間葉系幹細胞

再生医療の臨床試験イメージ


一度損傷してしまうと治らないとされてきた脊髄損傷ですが、現在の再生医療では「間葉系幹細胞での治療」という一筋ながら確かな光が見えてきています。
当ページでは、再生医療の「間葉系幹細胞」を出来るだけ分かりやすく紹介していきます。


間葉系幹細胞とは?



脊髄損傷による麻痺の治療に間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう)が用いられるようになり、保険適用で一般の方の治療もスタートしています。

そこで、その「間葉系幹細胞っていったい何なの?」を以下に噛み砕いてリポートしています。
正確性を担保する為に、元情報のリンクを設置しています。
確実な情報をお求めの方はリンク先にてご確認ください。


幹細胞について

私達の体には、怪我をして破壊された組織を修復したり新しく生み出したりする能力を持った細胞があり、その細胞が「幹細胞」といわれています。

幹細胞は、大きく2つ「多能性幹細胞」と「組織幹細胞」に分けられます。



①多能性幹細胞

多様性幹細胞の図


再生医療というと、ノーベル生理学・医学賞を受賞された山中教授のips細胞が有名です。
ips細胞は、さまざまな細胞を作り出せる「多能性幹細胞」を遺伝子因子の操作で、さまざまな細胞に生まれ変わらせる多様性を持たせた細胞です。

似た作用のある細胞にES細胞というものがあります。
ES細胞は、胚性幹細胞から作られるのですが、作られる過程において「胚を壊す」必要があり、倫理的な問題を含んでいます。

又、ES細胞には「拒絶反応」「癌化」のリスクが残されており、ipsと共に再生医療に用いる体制の整備が進められている状況です。


②組織幹細胞

組織幹細胞の図


人工的に作られた多能性幹細胞に対して、私たちの体の中に自然に存在し働いている肝細胞を組織幹細胞といいます。
骨髄、皮膚、肝臓などさまざまな場所で見つかっており、それぞれの場所で自己複製能の働きが行われている細胞です。

情報元:SKiP 幹細胞のいろは


間葉系幹細胞

間葉系幹細胞は、②組織幹細胞の一つで、さまざまな組織に分化する能力が分かっています。
脊髄の損傷においては札幌医科大学とニプロ株式会社の共同開発で「自己骨髄間葉系幹細胞」を用いる治験が行われ、厚生労働省から「条件及び期限付き承認」を得て実際の治療が行われています。

厚労省承認の条件と期限


  • 23条26の法律に基づく条件
  • 承認期限は7年間

引用元:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

平たく述べると、「再生医療に耐え得る施設にて承認時の品質を保ち、厚労省の調査報告を密に行う」ことで7年間実施してよいという事です。



承認を受けて、既にさまざまなメディアで取り上げられています。

以下はHTB北海道テレビより





承認薬「ステミラック注」は治験の段階で13人中12人の重症度が改善し、異例の早さでの承認に至りました。

脊髄損傷の治療薬としてはips細胞も研究が進められているのですが、この間葉系幹細胞は、「ips細胞を周回遅れにした」とまで云われています。

どこがそこまで違うのか...
以下で、ips細胞と間葉系幹細胞の違いをご案内します。


IPS細胞との違いは?



ips細胞と間葉系幹細胞の違い

両者に共通する利点と欠点は以下になります。

共通の利点


  • 幹細胞の分化により組織が再生
  • 不治の病に改善が期待される

共通の欠点


  • 癌化リスクがデータ不足
  • 治療開発費が莫大


以上が共通する利点欠点となります。
又、大きな相違点として

間葉系幹細胞は、自分の細胞が元となる為、拒絶反応・副作用のリスクが低いという点が挙げられます。
ips細胞が臨床~治験~承認まで時間がかかるのに対して、間葉系幹細胞は既に治療が始まっています。

新薬を心待ちにしている患者が多数いるなかで、実用化までのスピードはかなりの違いとなっています。


ノーベル賞を取ったips細胞と比較してみてもメリットの多い間葉系幹細胞ですが、課題ももちろんあります。
以下で、今後の課題にふれておきます。



新薬ステミラック注の課題



間葉系幹細胞による脊髄損傷の治療では新薬「ステミラック注」が使われます。
現状で分かっている課題は以下になります。


・7年間の内に、諸外国が懸念している、データを補完していく必要あり
・新薬を作る人材の育成も含めて時間が必要となる為、患者数が限定される
・治療施設が限られている
・当面は怪我をして1ヵ月以内の方が対象(後に対象拡大の方向)
・価格が莫大(1回の投与が1500万とも言われています)※1


以上が今後の課題とされていて官民一体となった努力が継続中となっています。
※1)価格は、保険適用+高額医療制度が使える為、患者様の負担は軽減されます。



今後に期待したいところですが、
今現在、治療が必要な方には「今すぐにでも」といった心境だと思います。

以下に、お問い合わせ先等を明記しておきます。


札幌医科大学附属病院
脊髄損傷に対する再生医療等製品「ステミラック注」を用いた診療について

専用コールを利用される前に上記リンク先をまずご確認ください。

専用コールセンター
一般の方
011-206-9875



脊髄損傷の新治療レポート編集後記



筆者も、20年ほど前に交通事故で腰椎の圧迫骨折を経験し、半年間歩く事すらできないという経験をしました。
あと1ミリ患部が深かったら一生車椅子という状況でした。

その10年後には、両手を複雑骨折し、1ヵ月入院。
幸いにも、関節の稼動域が少し気になる程度で折れた骨は完治しました。

ただ、当時は「先に対する不安」と「もう歩けないのかも」という不安で精神状態はボロボロです。
悪い時は重なるもので、人間関係のトラブルも重なり「折れた骨は治っても、折れた心は未だに向き合いつつの毎日」です。


そんななか、今回の情報に触れ、
「当時の自分よりもつらい状況が想定される方が多数いらっしゃる。」
「せめて希望の光を見つけて頂ければ...」
そんな思いにかられて記事にさせて頂きました。

つらい時が出来る限り早く過ぎて、あなたと、あなたの大切な人達の努力が報われる日がくる事を切に願っています。




Author [マープロ企画 和田]
緊急箱(キンキュウバコ)

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